すべてのレビュー・口コミ(22件)

ぼくらの
ぼくらの
4.5
  • 心臓にズシンと衝撃を受けた作品です。いつの時代も、幼い少年少女の命を賭けた戦いには、例え漫画であっても見てはいけないものを見てしまった背徳感を感じます。「ぼくらの」は、私が鬼頭作品を読む事になったきっかけの漫画ですが、一巻の中盤までは「ああ、よくあるロボット漫画ね」と思っていました。しかし、ロボットを動かしていた少年の命が消えてから、「え?!」と不快感(いい意味での)が沸き上がりました。そして、巻が進むうちに、「ロボット」「少年少女」という生半可な感覚では語れないスケールの漫画となっていきました。今では、「ぼくらの」の影響を受け、「自分がこの地球に住んでいるからといって、この地球だけしかないと考える方がおかしい」という考え方を持っています。元々、漫画は大好きですが、影響まで受けるとなると相当だと思います。そして、この作者特有ですが、少年少女の広い意味での性への捉え方、描き方が不愉快極まりません。下手したら犯罪もの。でも、それと同時に胸にドーンとのしかかる重圧感、これは絶対に他の漫画では味わえません。
    BACHHHHHHHさん

    2015/06/01

  • 主人公の少年少女たちが巻き込まれる世界を賭けた戦い。一体誰のために、何のために戦うのか、そもそも世界は自分の命をかけてまで守るほど価値があるものなのか。世界には善人もいれば悪人もいて、罪が必ず罰せられるとは限らない。自分が行ったことが必ず良い結果を招くわけではないし、今までの振る舞いがなかったことになるわけでもない。そんな生々しいまでに現代社会の闇と問題を描写した中で、それでも少年たちは地球を守るために命を投げ出すのか。アニメ化もされた「ぼくらの」ですが、中盤以降はまったくテーマも展開も違っていくのでアニメのみ視聴された方はぜひ漫画を最後まで読むことをオススメします。今の自分や取り巻く社会に嫌気がさしたとき、それでも行動をおこせばほんの少しづつ世界は変わっていくかもしれない、そんな勇気をくれる作品です。
    荻原遠子さん

    2015/06/01