すべてのレビュー・口コミ(301件)
天は赤い河のほとり
4.6
- 古代史は遥か昔過ぎて、外国だからイメージもわきにくく、読み始めたのは遅かったです。
でも、第1巻からグイグイと引き込まれました。
驚いたのは、登場人物の名前が史実通りということです。
本当にユーリ・イシュタルという名前で、子孫にエイミやマリエという日本語名の名前があることです。
印象に残っているのは、多くの人の命を奪う伝染病の患者と共に生活して、元気なままのユーリ。
現代で幼少期から受けていた予防接種のおかげでは?というエピソードです。
見事な描き方だと思いました。
何度読んでもつらいのは、ウルスラが絞首刑を受けるシーンです。
恋人より壮大な夢のために殉じる彼女の姿は、言葉以上の「命がけ」という思いを体現していると思います。「天は赤い川のほとり」にあるのでしょう。2015/05/08