すべてのレビュー・口コミ（3件）

国鉄が良かったなんていう気は毛頭ありませんが、地域会社ごとの利益しか考えていない今がいいとも、なかなか言いづらいです。全国ネットワークの大事さを再認識させてくれる作品です。

モーニング誌上最高齢の新人さんだそうです。そのためか、昭和という年代が色濃く描かれています。「カレチ」という聞きなれない役職がタイトルなのは、鉄道を愛する心をこめたように思えます。昭和と国鉄を描くと、避けて通れない民営化も、描かれています。個人的には、主人公の奥さんが独身時代に最後まできっちり仕事することに誇りを持っているシーンがとても好きです。マンガの最後は、悲しいです・・・

列車を安全に、そして正確に走らせようとするカレチを含めた全ての国鉄職員たちの苦労と葛藤が良く伝わって来ます。
物語の終盤で、国鉄合理化の話に入ると政治色や思想色が強くなってしまい、本来の人情話が薄れてしまったのは少し残念ですが、鉄道ファンのみならす、この時代を共に生きた 熱い世代の方達にもお薦めしたい漫画です。