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推理小説の醍醐味は、なんと言っても読者が推理して作者の張っている伏線を見つけ出す事。あからさまに出していてもつまらないし、凄く分かりにくくてもつまらない。その絶妙なところで作者は読者を喜ばせてくれる。浦賀先生の本は二度読みしていますが、毎回感服致します。この本は小説に予告されて起こる連続殺人の話。この凶悪な犯人は一体誰なのか。タイトルの「頭蓋骨の中の楽園」とは一体なんなのか。主人公の安藤直樹という笑わない男性が鋭い視点から事件を解決していく。首なし死体の首を切った驚きの理由も含めて、最後までぜひ読んでほしい。推理小説好きにはぜひ浦賀先生の本を読んでほしいです。全ての言葉に意味があり、無駄がない、そんな一冊です。頭蓋骨の中の楽園(上)という事で下巻も出ております。ページ数的にはなかなかのボリュームですが、一字一句が将棋の駒の様に動いていく言葉選びにより、重くありません。
2015/05/14