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著者の作品には、実際に起こった事件をモチーフに書いたものがいくつかあります。この「森に眠る魚」もその１つ。子どもの「お受験」をめぐって壊れていく母子の姿を書いた小説です。子どもをもつ親として、ここに出てくるような母親にはなりたくないと思う。でも…絶対にならない、とも言い切れない。子育てに正解はないと言われるが、「うちは大丈夫」と言い切れる母親はどれだけいるでしょう。学歴・スポーツ・容姿など、目に見える部分を「いいもの」にしておきたい気持ちは、多少なりとも理解できます。子育てってなんだろうと改めて考えさせられてしまう作品です。