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「酩酊混乱紀行　『恐怖の報酬』日記」は恩田陸さんのイギリスとアイルランドの旅行記です。飛行機恐怖症の著者の、旅行が決まってから当日までの徐々に高まる飛行機への恐怖と静かなパニック、そして飛行機に乗ってからのなんとか冷静を保とうとする心の動きががひしひしと伝わってくるのですが、怖がっている著者には申訳ないですけど読んでる方はめちゃくちゃおもしろいです。飛行機にまつわる話があまりにも真に迫っているので、到着後のイギリスやアイルランドでのエピソードが物足りなく思えるぐらいです。旅先に持っていく本の選び方、随所に現れる新しい物語のイメージ、恩田作品がどう生まれるかが垣間見れる、ファンにはたまらない作品です。番外編のビール工場エピソードは、電車旅行ということで著者が一転してハイテンションでのびのび楽しんでる様子が微笑ましい。