新潮社 6,363件 人気順 新着順 尻出し天使(新潮文庫) 池田満寿夫 「女」はヴィーナス、いたずらっぽい媚態で男を惑わす「天使」にも変身する。だから「男」は永遠に夢=欲望を追いかける。貧乏画家の主人公をめぐる、年上の妻と、若い二人の女。欲望にのみ突き動かされるように、愛人たちとの情事を繰り返す主人公にとって、いったい「天使」は誰? (1989年~90年「新潮45」掲載「女は海 男は船」改題) 440円 心中弁天島(新潮文庫) 野坂昭如 チンピラやくざと紡績会社の女子工員との出会いから死に至る魂のふれ合いの中に、青春の持つ残酷さを、さわやかに、哀しく描いた表題作。ほとんど戦後日本史の原型ともいうべきものを捉え、焼跡闇市派文学の原点を示す佳品『くらい片隅』。家庭という場で展開されるすさまじい“反米闘争”の寓話『万婦如夜叉』。ほかに『銀座のタイコ』『呪われ児』『殺さないで』『展望塔』を収める。 440円 花祭(新潮文庫) 安岡章太郎 中学生の「僕」は、成績不良のため、先生が住職をしているお寺に「入院」させられる。環境の変化に期待と緊張をつのらせる「僕」を、待っていたのは相変らず退屈な日常だった。倦怠の中で無気力な日々を送る「僕」。だが、その体に不思議な変化が訪れようとしていた――。性にめざめてゆく思春期の少年の、不安やとまどい、焦りや憧れを、独特のユーモアで描破した書下ろし長編。 330円 息子と恋人(上)(新潮文庫) D・H・ロレンス/吉田健一/訳 中産階級の出身で教養のあるガアトルウドは、性的に魅力のある炭鉱夫モレルと結婚した。いつしか夫への愛もさめたモレル夫人にとって、美しい息子たちが彼女の恋人的存在となっていた。長男ウィリアムの突然の死に打ちのめされた母親を慰めるのは、絵の上手な16歳の次男ポオルだった。 440円 息子と恋人(中)(新潮文庫) D・H・ロレンス/吉田健一/訳 夫のモレルは腕のいい炭鉱夫だが酒に明け暮れ、モレル夫人は夫を蔑みすでに愛想を尽かしていた。そして母親の気持ちは子供たちにも受け継がれ、特に次男ポオルと母親は異常な血の絆で結ばれていた。近所の農場の娘ミリアムと深くつきあうポオルの心はいつでも母親に束縛されていた。 440円 息子と恋人(下)(新潮文庫) D・H・ロレンス/吉田健一/訳 16歳の時からひとつ年下のミリアムと逢瀬を重ねて7年、ポオルは残酷にも彼女の心を弄んだ。母親は53歳になっていたが、人妻クララに思いを寄せるポオルに安堵していた。二人の女性に甘えるポオルの運命は、母親の死で愛情の決算を強いられる……。著者の出世作である自伝的長編小説。 495円 うつむく女(新潮文庫) 平林たい子 肉体的に男性失格者である春画家の妻小夜子、良人に背かれて愛情のさめてゆく平凡な勤人の妻珠子――肉体的心理的に良人に不満な二女性の、男を求めて燃えあがる感情の爆発! 結婚生活への不信と疑惑を前提として、奇怪な夫婦関係、悽惨な愛欲のエゴ、無軌道な性の悲劇を、すさまじい迫力で大胆に描破した大作。 495円 怪物がめざめる夜(新潮文庫) 小林信彦 〈ミスターJ〉は、放送作家の私が仲間と創りあげた架空のコラムニスト。この正体不明の男が評判を呼んだとき、私は実在の男にその役割を振りあてた。彼がこれほどの〈怪物〉に育つとは思いもよらずに。深夜放送で若者の苛立ちや鬱屈を代弁してカルト的人気をえた彼は、毒舌で大衆を扇動しつつ、攻撃の矛先を意外な方向にむけ始める……。情報化社会にひそむ恐怖を描く現代の都市伝説。 440円 決められた以外のせりふ 芥川比呂志 俳優、演出家として知られる著者が、父である芥川龍之介ゆずりの文才を発揮した随筆集。「小自伝」「名作のなかの好きな女性」「アメリカの観客席」「ベルリンの高峰秀子」「ソ連映画『ハムレット』」「演出と演技」「役者の生死」「劇場について」「モーリス・ジャールの舞台音楽」「父の映像」「父の出生の謎」「文学座演出部」「テレビあれこれ」「男のきもの」「戯曲を読む」など、戦中から1960年代にかけて書かれた随筆、評論など126編を収録。 825円 小さな貴婦人(新潮文庫) 吉行理恵 死んでしまった猫〈雲〉を愛惜する夢想的で自閉的な中年女性〈私〉、「猫の殺人」という童話を書く年老いた女流詩人G、そして優しくも威厳に満ちた猫たち――。悪意に満ちた外界に傷つけられる繊細な存在の交感を詩的散文に結晶させた、優雅で奇妙な連作小説集。「猫の殺人」「雲とトンガ」「赤い花を吐いた猫」「窓辺の雲」「小さな貴婦人」の5編を収める。表題作で芥川賞を受賞。 385円 ヘンリー四世 第一部 シェイクスピア/福田恆存/訳 十五世紀初頭のヘンリー四世統治下、パーシー一族らによる反乱に対し、放埓な生活を送っていた王子ハルは、シュルーズベリーの戦いで王の危機を救い、反乱軍の主ホットスパーを倒す。この主筋に対して脇役でありながら、この作品の人気を支えてきたのが騎士ジョン・フォールスタフである。臆病、卑劣、狡猾、見え坊、破廉恥、好色、貪欲といったありとあらゆる悪徳を身に付けた不思議な人間像は、作品の枠を超えて観客を魅了してきた。 440円 リツ子 その愛・その死(新潮文庫) 檀 一雄 敗戦のあとさき、惑乱と混濁と窮乏の時代状況下、最愛の妻リツ子が結核に倒れた。あどけない息子を抱え、看護、食料調達、借銭、医者探しに奔走する夫。救いを求める魂の叫びも病魔には届かず、リツ子はしだいに衰弱の度を深めてゆく……。全てをむしりとられ、全てをなげうって懸命に生の再建を目指す夫婦の姿を通し、裸形の魂の美しくも凄絶な昇天を捉えた昭和文学の記念碑的長編。 1,045円 ロミオとジュリエット シェイクスピア/福田恆存/訳 モンタギュー家の一人息子ロミオは、キャピュレット家の舞踏会に仮面をつけて忍びこんだが、この家の一人娘ジュリエットと一目で激しい恋に落ちてしまった。仇敵同士の両家に生れた二人が宿命的な出会いをし、月光の下で永遠の愛を誓い合ったのもつかのま、かなしい破局をむかえる話はあまりにも有名であり、現代でもなお広く翻訳翻案が行われている。文庫化されなかった福田恆存訳による、世界恋愛悲劇の代表的傑作の登場。 385円 好色の魂(新潮文庫) 野坂昭如 昭和初期、エロ・グロ・ナンセンス華やかなりし時、たび重なる発禁にも屈せず、女泣かせの極意書や春本をあっぱれ秘密刊行して、名声天下にかくれもない「好色出版の帝王」貝原北辰。その奔放無頼の生涯を、空前の言論の自由を謳歌する今日、相も変らぬ官憲の発禁処分に対して闘う現代の北辰、野坂昭如が、己れの自画像をも映し入れながら共感と敬意をこめて描き上げた異色長編。 330円 紳士同盟ふたたび(新潮文庫) 小林信彦 あのコン・ゲーム集団〈紳士同盟〉が帰ってきた! 暴力や殺人で金を奪おうとするのは、もう古い。今の世の中、頭脳こそ、腕力や凶器以上の武器なのだ。被害者に被害にあっていると思わせない機智と品格を備えた犯罪、それがコン・ゲームだ。今度の目標は二億三千万円、東京・NYを股にかけ、大胆かつ緻密なトリックをしかけるが……。スマートでユーモラスなコン・ゲーム小説。 660円 水中花(新潮文庫) 五木寛之 梨絵は、今はなき画家竜崎と愛人である母とのあいだにうまれた、25歳の美貌の女性。速記者として母と妹の生活を支えている。ある日、妹が発作的に父の絵を切り裂いてしまった。その弁償のため梨絵は銀座のクラブでレディ・ドールとして働き始める……。二つの顔を持つ美しきヒロイン森下梨絵を取り巻く男達の野望と倦怠が渦巻く。大都会の夜を鮮かに描くネオ・シティ・ロマン。 330円 立原正秋(新潮文庫) 高井有一 独自の美学に貫かれた華やかな作家活動の背後に、秘められた二重の生涯があった……。日韓の狭間に生きた五十四年間に、六つの名前を持ち、年譜さえも虚実とりまぜて自ら創作せざるを得なかった、孤独な苦闘の軌跡。生れながらの日本人以上に日本人になろうとした、人間・立原正秋の哀しいまでに必死な生と死を、克明かつ友愛をこめて照らしだした画期的評伝。第33回毎日芸術賞受賞。 605円 充たされた生活(新潮文庫) 石川達三 身よりのない27歳の新劇女優朝倉じゅん子は、3年におよぶ結婚生活を清算する。死んだ兄の同級生である劇作家、アパートの隣室に住んでいる学生運動家、妻と死に別れた俳優など、さまざまな男性を遍歴するが、じゅん子は結局、右翼暴力団に襲われた劇作家に自分の全身をあずける……。60年安保闘争を背景に現代人にとっての充実した生とは何かを追求する書下ろし長編。 495円 ファディッシュ考現学(新潮文庫) 田中康夫 「日の丸」を背負って飛ぶ日本航空の悲劇とは? 聖心女子大と日本女子大、どこがどう違う? 豊かな現代社会の中で人は何を頼りにする? JAL機事故の周辺から、ホテル、車、食事、ディスコ、キャンパスなどのシティ情報まで、表層事象の観察を通じて、現代日本社会の深層に皮膚感覚で迫るフィールドノート。「朝日ジャーナル」1985年4月19日号から1986年4月18日号までの50章を収録。 385円 昔みたい(新潮文庫) 田中康夫 胸ときめかせて、煌めく恋の一瞬を、せいいっぱい着飾って過ごしていたあの頃。すこしだけ背伸びの恋、素敵な時間。でもそれは、遠い昔の思い出……。アッパー・ミドルの素敵な女たちの現在と過去、幸せと悲しみを、東京、芦屋、軽井沢、ヴェネチアなどを舞台に鮮やかに描く15の掌編。女の子と呼ぶには人生を少しだけ経験し過ぎ、女と呼ぶには、まだ早過ぎるあなたに贈る恋愛小説。 550円 1 ... 316317318 319 TOP 電子書籍(本・小説) 新潮社 317ページ目