筑摩書房 3,364件 人気順 新着順 ジンメル・コレクション ゲオルグ・ジンメル/北川東子(編訳)/鈴木 直(訳) 取っ手や橋・扉など、見慣れた風景の細部からモデルネの本質を読み解き、貨幣、大都市、女性、モードにいたるまで、現代社会のあらゆる事象に哲学的思索を向けた「エッセーの思想家」ジンメル――その20世紀的思考を生き生きと伝えるアンソロジー。 1,155円 中華料理の文化史 張 競 フカヒレの歴史はせいぜい三百年、北京ダックはたかだか百年あまり。それ以前の中華料理とはどのようなものだったのか? 異民族との交流により中華料理は大きく変貌してきた。見知らぬ素材やレシピという異文化を中国人は貪欲に取り込んだ。中華思想も蛮夷の料理は拒まなかった。中華料理のなかにはハイブリッドな中国文化のエキスが濃縮されているといるのだ。孔子の食卓から開放経済下の新香港料理まで、中国の風土、異文化交流という大きな視野から描きだす、芳醇な中国文化史。 715円 パリのマリア 竹下節子 何度もその前にマリアが出現し、埋葬後56年経てなお生前の姿を保っていたカトリーヌ・ラブレー。硬直した体を暗闇のベッドに横たえ眠らずに神の声を聞き、毎週金曜日にはその聖痕から血を流す。神父が運んでくる小さな聖体パンのみが食事という超常的な50年を送ったマルト・ロバン。第2次大戦中にパリの修道院でレジスタンスを支援しながら同時に戦場にある若い兵士を訪問したイヴォンヌ=エメ。たった100年ほど前に起きた奇跡の主人公たちを紹介し、その魅力を探る魂の書。 3,135円 犯罪症候群 別役 実 現代ほど犯罪が、われわれにとって重大な意味をもちはじめた時代はない。犯罪は日常領域と非日常領域の屈折した回路を巡って出現し、逃走する。この犯罪のメカニズムがもはや機能しなくなった世界ではいったい何が起きるのか。犯罪のことばのパラドキシカルな諸考察を通して、二・二六事件から連合赤軍事件にいたるまで、衝撃的な事件の闇の内部構造を鋭敏な生活感覚で照らしだす別役版犯罪原論。 1,045円 ニーチェ入門 竹田青嗣 ルサンチマンの泥沼の中で「神」や「超越的真理」へと逃避するのか、あるいは「永遠回帰」という「神聖な虚言」に賭け、自らの生を大いに肯定するのか? 二十世紀思想最大の震源地であり、今日もなお、あらゆる思想シーンに絶大な影響力を誇るニーチェの核心を果敢につかみ、さらに未来へと開かれた可能性を大胆に提示する、危険なほどの刺激的な入門書。 770円 ピクウィック・クラブ(上) C.ディケンズ/北川悌二(訳) 実業界を引退した裕福な紳士にしてクラブの会長ピクウィック氏は、新たにつくった通信部の仕事として各地の風俗を調査報告すべく、3人の会員とともに旅に出る。もとより無邪気で素朴、人間愛の化身とも言うべき人物であるので、旅行は単なる調査にとどまるわけがなく、行く先々で世の虚偽を暴き悪を懲らしめ苦境にある人々を救わないわけにはいかない。しかし、その善意が飛び切りのものだったのでしばしば空回りしてしまい、悪人の奸計にかかり、滑稽な失敗をしてしまうのだった。 1,155円 ピクウィック・クラブ(中) C.ディケンズ/北川悌二(訳) ピクウィック氏の旅は続き、裁判をはじめいろいろなごたごたに巻き込まれる。途中から仲間に加わったのが忠実な馬丁のサム・ウェラー。陽気な生粋のロンドンっ子できちんと世間の常識をわきまえ、ピクウィック氏を引き立てる名脇役だ。こんなお供の活躍を読むと『ドン・キホーテ』が思い出される。ドストエフスキーも「滑稽であるがために善良な人間」のタイプとして、ドン・キホーテとこの小説の主人公ピクウィックをあげている。物語はどこまでももつれながら広がってゆく。 935円 ピクウィック・クラブ(下) C.ディケンズ/北川悌二(訳) ピクウィック氏の波乱に満ちた旅は終わり、今や落ち着いた日々が過ぎてゆく。体は少し弱っていても精神は若々しく人々の敬意を集めている……。すべてのいざこざは収まり、穏やかな雰囲気のうちにこのイギリスを代表するユーモア小説は幕を閉じる。当時のイギリスは産業革命後の混乱の真っ只中にあり、下巻にあるように債務者は監獄に送られた。駄洒落や地口満載のこのユーモア小説はブルジョア階級からも下層階級からも歓迎され、ディケンズは作家としての名声を手に入れた。 935円 不平の中国文学史 大木 康 日本の公務員試験もルーツは中国の科挙。20世紀初頭に廃止されるまで実に1400年間、王朝を支える高級官僚を選抜してきた。中国全土からの受験者はなんと300万人。何段階もの関門を勝ち抜いて選ばれるのは300人。1万分の1! 異常なまでに激しい戦いに敗れた連中は一生落伍者として生きねばならなかったのか? 彼らの不平不満が社会的混乱の原因とならなかったのはなぜか? 不合格とはいえ、そうそうたる知識人が敗北を受け入れた秘密を切り口に語る異色の文学史。 2,750円 向う岸からの世界史 ――一つの四八年革命史論 良知 力 1848年、パリで勃発した二月革命はドイツ・オーストリアの三月革命へと発展し、やがてヨーロッパ全域へと拡大する。本書はウィーンとベルリンにおける革命の実態を克明にたどりながら、それまで「歴史なき民」と蔑まれてきた少数民族やプロレタリアートに光をあて、彼らこそが歴史の真の担い手であり、革命の主体であったことを明らかにする。丹念に収集された史料図版と独自の1848年革命史研究を通じて、西欧近代中心主義的歴史観を超える新しい歴史像を示そうとした逸品。 1,155円 死にいたる病 セーレン・キルケゴール/桝田啓三郎(訳) 絶望とは、人間の精神のみが罹る「死にいたる病」である。キリスト教会の欺瞞を批判しつつ、無限なる神との関係における有限なる自己(単独者)をめぐって、絶望と罪との諸形態を徹底的に分析し、考え抜く――精神の教化と覚醒のために。自己疎外に陥った現代人の魂の、その核心への肉薄が、今なお鮮烈に読む者を捕えて離さない実存主義哲学の古典。20世紀の思想に広範な影響を与えたキルケゴール晩年の思索を、デンマーク語原点から訳出し、詳細を極める訳注と解説を付す。 1,210円 世界史の十二の出来事 中野好夫 フランス革命はどのように恐怖政治に転じ、その中でダントンは、ロベスピエールはいかなる運命をたどったのか。ロスチャイルド家が巨万の富を手にするまでの戦術と、それを可能にした「血の結束」とは。そして明治維新の激流の中で悲痛な死を遂げた河合継之助の行動の謎……。その劇的な個性ゆえに、世界史上に際立つ人物と事件を題材に、人間情念の光と闇、歴史と運命の相克を絶妙に刻みあげた一級の歴史読物。 770円 日本文化論 石田英一郎 日本人、あるいは日本文化とは何か。民族の個性は、いつどのようにして形成されたのだろうか――文化人類学の明晰な方法論を用いて、西洋世界の社会・文化と対比しながら、日本人の思考様式・生活意識を規定する日本文化の特質を解き明かす。日本の文化人類学を確立した著者が積年のテーマを結実させた名著。 1,045円 無常 唐木順三 今も昔もわれわれの美意識や倫理観の奥底には「無常」が生きている。女流文学に登場する「はかなし」が歴史の転換とともに「無常」へと姿を変える。無常はよく言われるような「色はにほへど散りぬるを」といった感覚的・心理的なものではなく、日本中世に盛んになった大乗仏教のなかから生まれた形而上学が発見したものだった。「かげろふの日記」から始まり「平家物語」を経て「正法眼蔵」へといたる精神の歴史と、「無常仏性」に表わされる道元の哲学を明らかにした名著。 1,155円 落語特選(上) 麻生芳伸(編) 落語の登場人物には実在のモデルがいたわけではない。こういうやつがいたら面白かろう、自分もああなってみたいという町人の希望や生き方の理想、はたまた心意気が渾然一体となってつくりだされてきた。とりわけ強烈な個性の主人公を集めた2冊の(上)には、借り手の審査が異常に厳しい大家の「小言幸兵衛」、喧嘩の罰で頭を剃られた仕返しに長屋のおかみさんたちを尼にしてしまう「大山詣り」、いやみな通人に無理やり傷んだ豆腐を食べさせる「酢豆腐」など20編を収録。 825円 落語特選(下) 麻生芳伸(編) 大工の棟梁も魚屋も廓の花魁も放蕩息子も遊び人もまじめな職人も、落語人間は個性をはっきり主張する。怒るときは怒り謝るときは謝る。この巻には、自分こそ間夫と思う男たちと花魁のだましあいがおかしい「文違い」、名文句「女郎買いの決死隊」を生んだ「蔵前駕籠」、銭を持たずに豪遊し翌日からはちゃっかり幇間まがいで客を取り巻く「居残り佐平次」など20編を収録。ご自由に番組を組み、贔屓の噺家を登場させ、あなただけの寄席をいつでもお手元にどうぞ。 825円 アメリカン・ヒーロー伝説 小鷹信光 犯罪実話、ウェスタン、心正しい少年の成功物語、そしてミステリー……。ダイムやパルプという言葉に代表される粗悪な紙に印刷されたさまざまなヒーローたちがアメリカ中を熱狂させ、やがて忘れ去られた。彼らの系譜をたどれば、「アメリカはなぜ今のアメリカになったのか」が浮かび上がってくる。ポーが第一作を発表する直前の1840年からハードボイルド小説誕生前夜の1920年までを、低い位置に据えた視点から眺め、消費されるためだけに作られた物語を通して、背景となった社会と大衆を描く一級のアメリカ精神史。 715円 火山列島の思想 益田勝実 日本人の心の原像とは何か?われわれの祖先たちはいかなる意識をもってこの火山列島に生き、またそれはどのようにわれわれの心に刻みこまれているのだろうか?原始の日本人の呪術的想像力、そして古代的社会機構によるその変容のプロセスに、徹底した実証、渾身の学問的想像力で迫る、日本古代文学研究史上の記念碑的作品。 1,100円 カンタベリ物語(上) チョーサー/西脇順三郎(訳) 時は14世紀末の4月のある日、ロンドンのとある旅館にカンタベリへ巡礼に行く種々の身分、様々な職業の29人が泊まり合わせた。彼らは道中の退屈しのぎにと、一夜の晩餐を賭けた物語くらべをすることになった。そこで一人づつ、籤引きの順番に話を始めた。――〈近代英詩の父〉と讃えられるチョーサーが中世物語文学のあらゆるジャンルと様式を集大成した畢生の大作を詩人西脇順三郎が丹精を込めた名訳で贈る。 770円 カンタベリ物語(下) チョーサー/西脇順三郎(訳) 巡礼途上で偶然、居あわせた29人が語る英雄譚や笑話、信仰訓や奇談の数々。貴族や僧侶から商人、農民など、当時のあらゆる階級、身分、職業の人々がもつ人情、風俗、思想、道徳を中世イギリス最大の詩人チョーサーが、彼ら自身を通して活き活きと描きだす。日本のモダニズム詩運動をリードしつづけた西脇順三郎が、このヨーロッパ文学史の記念碑的傑作を珠玉の名訳に結晶。 935円 1 ... 164165166 ... 169 TOP 電子書籍(本・小説) 筑摩書房 165ページ目