土方歳三記 二巻 新選組結成から池田屋騒動までを描く。新選組が最強剣客集団となり、歳三は愛嬌者から鬼に変わる。

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あらすじ

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概要

 武州多摩の豪農に末子に生まれた歳三は、幼い頃から武士になりたいと願っていた。そのため、呉服屋に丁稚奉公しても二度ともしくじり、家伝薬の行商をしながら、関東一円の諸流の道場を廻って剣技を研いた。
 二十五歳で天然理心流試衛館に入門し、さらに実力を上げた。道場主の近藤勇は歳三の幼なじみである。試衛館には、天才剣士の沖田総司をはじめ、凄腕の剣客達がいつもごろごろしていた。
 時代は急に動き始めた。アメリカ海軍ペリーが黒船艦隊を率いて開国を迫り、徳川幕府は二百数十年続いた鎖国を解いた。欧米各国と次々に条約を結ぶと、尊王攘夷を主張する人々が開国反対・幕政改革を求めるようになった。
 反幕府活動を弾圧した井伊大老が暗殺される(桜田門外の変)と、脱藩して尊王攘夷を実行しようとする浪士達の活動は、いよいよ激しくなった。
 尊攘浪士に手を焼いた幕府は、その対策として浪士組を編成した。
 近藤は試衛館の仲間とともに浪士組に参加し、京に上る決意をした。歳三は本物の武士になるチャンスをつかんだ。
 上洛した歳三は、新選組という戦闘集団を創る。新選組の主導権争いに勝ち、歳三は近藤をトップに据える。やがて、「池田屋騒動」という幕末最大の戦闘に突入… 以上まえがきより抜粋