虐殺器官
購入した作品の読み方あらすじ
9・11を経て、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。
米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう……彼の目的とはいったいなにか? 大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは? ゼロ年代最高のフィクションが電子書籍版で登場。
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レビュー・口コミ(4件) 一覧へ
他の作家さん達も羨む才能の持ち主。このジャンルの文法にこの人以上に作り込める人はいないんじゃないかと思う。読んでて聞こえてくる銃声の音や火薬の匂い、読者を登場人物にできる文章。
この本をよんでアニメも見ました。5点伊藤計劃さんの世界観にどんどん引き込まれていきました!言葉1つ1つの使い方が独特で、読んでいてドキドキしました!!
5点テクノロジーはどんどん進歩していく。人はどんどん病を克服し、便利で快適な生活を手に入れていく。しかし、そのテクノロジー自体に我々人類はおいていかれてはいないだろうか?これまでSF作品をほとんど読んでこなかったのだが、この「虐殺器官」で私はSF小説の懐の深さに驚いた。「虐殺の文法」を世界中に拡散する人物の何よりもシンプルでだからこそ恐ろしい動機がラストに明かされる。拍子抜けする読者もいるかもしれないがそれまでの主人公たちの置かれていた立場がいかにテクノロジーに翻弄されていたか、どんなに残酷だったかがその動機を知ることにより一気に読者に開示される。人の心次第で世界はドミノ倒しのように滅ぶ。私たちは「虐殺の文法」に飲まれないように生き抜けるだろうか。今一番読んでほしい小説だ。
映画化されると聞き、原作を読んでみました。SFはあまり好きではなかったのですが、この作品はとても面白く読むことが出来ました。設定が近未来だということもあり、いつかこんな風になるのでは、と思わせるような内容でした。虐殺器官とは何か、ジョン・ポールとは一体どんな人物なのか。考えながら読み進めるのですが、ことごとく予想を裏切る展開にワクワクします。読みやすいのでSF作品を読んだことがない人にもおすすめです。