龍神の雨

購入した作品の読み方

あらすじ

添木田蓮と楓は事故で母を失い、継父と三人で暮らしている。溝田辰也と圭介の兄弟は、母に続いて父を亡くし、継母とささやかな生活を送る。蓮は継父の殺害計画を立てた。あの男は、妹を酷い目に遭わせたから。――そして、死は訪れた。降り続く雨が、四人の運命を浸してゆく。彼らのもとに暖かな光が射す日は到来するのか? あなたの胸に永劫に刻まれるミステリ。大藪春彦賞受賞作。

レビュー・口コミ(2件) 一覧へ

  • 「龍神の雨」は、血のつながらない家族に起こった事件を描いたミステリー作品です。19歳の蓮と中3の楓、中2の辰也と小5の圭介という2組の兄弟の視点から描かれるストーリーは、うまく読者のミスリードを誘う展開となっていて、序盤と終盤で事件の様相も人物像もまったく異なるものとなります。緊迫感もあり読み応えのあるミステリー作品です。ただ全般に、まさに雨のごとく陰鬱な雰囲気の作品です。年若い兄弟が背負ってしまったものはあまりに重く、読後も少々やりきれない気持ちです。もう一方の家族が再生に向かうのがせめてもの救いです。

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    むぎぐらふぃっくすさん
  • 龍神の雨というタイトルにもあるように、全体的に雨の降る描写が多く薄暗い雰囲気があります。主人公が直面する現実も厳しいものであるため更に暗く感じますが、最後まで読んだ後にはどこか心温まる物語です。そして何より、家族という繋がりがいかに大事で強固なものであるかということに改めて気付かされます。家族がある方や家族を築きたいと思っている方全てにオススメします。

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    parasoruさん