人情武士道
購入した作品の読み方あらすじ
御用人の佐藤欽之助は、妻を通して琴の稽古友達だった女から、夫の仕官の世話を頼まれる。その女が、かつて縁談を申し込んで断られた和枝であることを知った欽之助は、思いがけない行動で依頼を果たす……。著者の鋭い人間観察眼を際立たせている表題作の他に、後年の“職人もの”の先駆をなす「しぐれ傘」や“滑稽もの”の「竜と虎」など、初期の傑作12編を収める。
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縁談の話が出始める娘の頃の記憶が平凡だけど幸福な夫婦生活に影を差す…突然幼なじみの女性が零落した夫の就職の口利きをそっと頼んでくる。夫は冷たい態度で一顧だにしない。はじめてみる夫の顔に戸惑ううちに、過去の秘密に触れて彼女は苦しむが…「人情武士道」、人情によって夫は見事にすべてを丸く治めてしまう。彼女の幸せが続くことは疑うべくも無く、きっと守られていくだろうラストが素晴らしいです。