ボトルネック(新潮文庫)
購入した作品の読み方あらすじ
亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した……はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。
レビュー・口コミ(2件) 一覧へ
氷菓などとはまたベクトルの違った作品だけど、小説の内容としてどちらの方が引き込まれるかというと自分はこちらの方が引き込まれた。読み始めは「どういう事?」と疑問符が浮かんだが、読み進めていくうちにピースがピタリと嵌っていくような感覚を覚えた。一度は読んで見て欲しい作品
5点米澤穂信でオススメは?と言われれば、私は何より先に『ボトルネック』を挙げます。最初は異世界に紛れ込んでしまうファンタジー。そこから、「自分は生まれてくるべきなのか?」「自分は本当に必要なのか?」という自分探し。誰もが味わったことのある青春の辛さ、苦さを思い出すことができます。自分の存在意義に悩みながらも、やっと一つの光が見えそう…というところからのラスト1ページがとにかく凄まじいです。ラストの解釈が分かれると言われていますが、私はどう読んでもバッドエンドにしか思えません。これを高校生の時に読んだら、もしかしたら何か違っていたかも…と思えるほど、心に深く刺さる物語でした。是非、高校生のあなたに読んでほしいです。