儚い羊たちの祝宴(新潮文庫)
購入した作品の読み方あらすじ
夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。
レビュー・口コミ(2件) 一覧へ
米澤穂信さんのファンですが、中でも玉野五十鈴は最高です。
ジャンルで言うとミステリーホラーでしょうか?
結末がシュールで絶品です。
怖いもの見たさから何度も繰り返し読んでいます。5点読書サークル「バベルの会」にまつわる短編をまとめた『儚い羊たちの祝宴』。中でも、『Story Seller』2008年springに掲載され話題を呼んだ『玉野五十鈴の誉れ』が有名です。米澤作品といえば、『インシテミル』のようなわかりやすいミステリー、『氷菓』に代表されるラノベ風ミステリーが有名ですが、本作品はどちらにも該当しない幻想的な雰囲気を出しています。幻想文学?怪奇譚?どんなラベル付けも合わない独特な短編ばかりです。「バベルの会」シリーズはどれも「最後の一撃(フィニッシング・ストローク)」にこだわった作品なので、ラストできっちりオチる安定感を好む方にオススメです。