「聴く」ことの力

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あらすじ

聴く、届く、遇う、迎え入れる、 触わる、享ける、応える……
哲学を社会につなげる 新しい試み

第3回桑原武夫学芸賞受賞作

わたしは、哲学を〈臨床〉という社会のベッドサイドに置いてみて、そのことで哲学の、この時代、この社会における〈試み〉としての可能性を探ってみたいとおもうのだが、そのときに、哲学がこれまで必死になって試みてきたような「語る」――世界のことわりを探る、言を分ける、分析する――ではなく、むしろ「聴く」ことをこととするような哲学のありかたというものが、ほのかに見えてくるのではないかとおもっている。

本文より