中国分裂 七つの理由
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ウイグル族の反乱、チベットの独立運動、内蒙古の民族自決、それに「経済圏」の分解で上海、福建、広東、香港、マカオも独立してゆく可能性が中国全土を震撼させている。その火種を中国政府は、世界最大の軍事力で押さえ込もうとする。この暴力的な弾圧によって、中国大分裂のシナリオが現実味をおびはじめた。当代随一の中国ウオチャーが、中国の未来を鋭く抉る! プロローグ 高等学校の歴史教科書などが手近にあったら開いてみていただきたい。 中国では国家が統一され国内が平和であった時代より、分裂、戦乱の時代の方がはるかに長いことが分かる。 たとえば歴史的に見ても周以後、秦の始皇帝の統一までの「春秋戦国時代」、漢のあと「三国時代」(魏、蜀、呉)、西晋を経て「五胡十六国時代」がある。南北朝時代を経て、隋が西暦五八九年に統一。さらに下って唐王朝が崩壊し、宋が現れるまでが「五代十国」時代だ。宋(北宋)のあとはふたたび「三国鼎立(夏、金、南宋)時代」、そして元朝となる。 しかしこれらはいずれも華北、華中から華南にかけての興亡であって、現在の新疆ウイグル、青海、チベット、雲南とはまったく別の国であった。さらに十世紀ごろのチベットは吐蕃といって、五代十国時代の全領土に匹敵する広さを誇っていた。“統一されていない”のが中国本来の姿ともいえるのである。(プロローグより)
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