月と蟹

購入した作品の読み方

あらすじ

注目度ナンバー1の著者による少年小説の傑作! 「ヤドカミ様に、お願いしてみようか」「叶えてくれると思うで。何でも」──家にも学校にも居場所が見つけられない小学生の慎一と春也は、ヤドカリを神様に見立てた願い事遊びを考え出す。100円欲しい、いじめっ子をこらしめるなどの他愛ない儀式は、いつしかより切実な願いへと変わり、子供たちのやり場のない「祈り」が周囲の大人に、そして彼ら自身に暗い刃を向ける……。鎌倉の風や潮のにおいまで感じさせる瑞々しい筆致で描かれ、少年たちのひと夏が切なく胸に迫る長篇小説。 第144回直木賞受賞。

レビュー・口コミ(2件) 一覧へ

  • すっっっっごく面白かったです!!!!時間を忘れていっきに読んでしまいました!!!

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    5点
    あーちゃんさん
  • 著者の直木賞受賞作です。道尾秀介氏といえば、大どんでん返しのストーリーが展開されるミステリー作品に定評がありますが、登場人物の心理描写も非常にうまいです。本作でも小学生である少年の心情が巧みに描かれています。ただ、著者の作品「光」も少年が主人公ですが、そちらが少年の勇気・冒険心・友情など「明」の部分が描かれているのに対し、この「月と蟹」は嫉妬・孤独・猜疑心・残酷さなどひたすら「暗」部が描かれています。心理描写や臨場感のある情景描写が巧みなだけ、とてもやるせない気持ちになりました。

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    むぎぐらふぃっくすさん