私の男
購入した作品の読み方あらすじ
私は腐野花(くさりの・はな)。着慣れない安いスーツを身に纏ってもどこか優雅で惨めで、落ちぶれた貴族のようなこの男の名は淳悟(じゅんご)。私の男、そして私の養父だ。突然、孤児となった十歳の私を、二十五歳の淳悟が引き取り、海のみえる小さな街で私たちは親子となった。物語は、アルバムを逆からめくるように、花の結婚から二人の過去へと遡ってゆく。空虚を抱え、愛に飢えた親子が冒した禁忌、許されない愛と性の日々を、圧倒的な筆力で描く直木賞受賞作。
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レビュー・口コミ(4件) 一覧へ
映画を見てから読みました。原作もおもしろかったです。おすすめの作品だと思います。
3点映画→映像の順で見ました。
賛否両論らしいですが私はとても美しい物語だと思いました。5点映画も見ました。
とてもおもしろかったです。5点父と娘の禁断の愛を描いた『私の男』。第138回直木賞受賞作にして桜庭一樹の代表作になりました。『ファミリーポートレイト』のように母と娘を描くことが多かった作者が、珍しく父と娘を題材にしていることに新鮮な驚きを感じました。文章力には定評がありますので、読んでいると北国の流氷や雪景色が見えるようです。とても静かで、美しい情景と娘の内面がよくマッチしていて、文学的に完成度の高い作品になっています。桜庭一樹を初めて読む方にもオススメできます。