夜想
購入した作品の読み方あらすじ
事故で妻と娘を失い、毎日を惰性で生きる雪籐(ゆきとう)。ある日落とした定期を拾ってくれた若い女性に、雪籐は胸を衝かれた。彼女は涙を流し「あんまりかわいそうなので、つい……」と言ったのだ。その女子大生・天美遙は、物に触れるとそこに籠もった“思い”を読み取る不思議な能力を持っていた。悩む人の相談にのる彼女の力をもっと広く役立てようと、雪籐は仕事をやめ、会をつくるが…これは新興宗教の誕生なのか? 魂の救済を描く、圧巻の感動巨編。
レビュー・口コミ(4件) 一覧へ
意外性があってとてもおもしろい作品であるのでみなさんもぜひぜひ購入してくださいね。
3点※ネタバレありのレビューです。
5点ミステリーだけど、爽やかです?
4点山本周五郎賞や日本推理作家協会賞など数々の賞を受賞したミステリー界の重鎮、貫井徳郎の名作『夜想』。本人曰く、「宗教にはまる人の気持ちが全然わからない」ということでしたが、「わからないから書く」というのが貫井氏のやり方なのかもしれません。妻を亡くした男性が、人の心を読める少女に出合うことから始まる物語です。「人の役に立ちたい」という純粋な思いだけなのに、どうしてこんな風に望まない方向に進んでしまうんだろう…ともどかしく思いながら読みました。作品としては総合点が高く、読了後もすっきりできます。