手紙のたのしみ

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あらすじ

語る内容は様々でも、手紙というものは自分を語ることにつきると著者はいう。芥川龍之介のすなおな恋文、「御主人様」に「どんな難題でも御出し下さいまし」と嘆願する谷崎潤一郎のラヴレター、小林多喜二の死に際してその母に宛てた志賀直哉のお悔やみ、小泉信三の闊達な礼状、「小またが切れ上がるとは」と教示するイラスト入りの伊原宇三郎の手紙、獄中の宮本顕治と獄外の百合子のやりとりした夫婦の手紙など、手紙が持つ深い味わいを、人生の達人が解き明かす書き下ろしエッセイ。