山岡鉄舟(二)

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あらすじ

金もいらぬ、名もいらぬ、命もいらぬと言う男は、始末に困るものだ。この始末におえぬ男でなければ天下の大事はできぬ──と西郷隆盛が評した鉄舟・山岡鉄太郎。屋台骨の傾きを素知らぬふりして権勢にしがみつく幕府執政者たちと新生日本を夢みて荒ぶる下級武士や先鋭思想家たちとのあいだでひとり超然とおのれを貫く。朝敵徳川慶喜家来として敵陣をくぐり抜け、西郷と面談、江戸無血開城に功あった春風駘蕩たる傑物を柱に激動期を生きる人々を縦横に描く、幕臣の側からの明治維新論。