新・水滸伝 第一巻
吉川英治 330円
あらすじ
中国、北宋の時代。
天下に悪疫が流行し、これを払うために霊山へ登った勅使は、人の諫めも聞かずに伏魔殿の封印を破ってしまう。そこから放たれた百八の魔星妖星が、時を経て人間に生まれ変わり、乱れた世を正す義賊として梁山泊に集い、躍動する――。
中国最大の伝奇小説を、吉川英治が大胆に意訳。生身の人間の夢と欲望が壮大な世界観の器に盛られ、興奮の一大マンダラと化す。
・序曲、百八の星、人間界に宿命すること
・毬使いの幸運は九天に昇り、風流皇帝の徽き 宗に会うこと
・教頭の王進、追捕をのがれ、母と千里の旅に落ちゆく事
・緑林の徒の涙を見て、史進、彼らを再び野へ放つこと
・史進、家郷をすてて渭水へ奔り、魯提轄と街に会うこと
・晨に唄い女翠蓮を送って、晩霞に魯憲兵も逐電すること
・蘭花の瞼は恩人に会って涙し、五台山の剃刀は魯を坊主とすること
・百花の刺青は紅の肌に燃え、魯和尚の大酔に一山もゆるぐ事
・花嫁の臍に毛のある桃花の郷を立ち、枯林瓦罐寺に九紋竜と出合いのこと
・菜園番は愛す、同類の虫ケラを。柳蔭の酒莚は呼ぶ禁軍の通り客 他