盤上の夜

購入した作品の読み方

あらすじ

「相田と由宇は、出会わないほうがいい二人だったのではないか」――由宇は四肢を失い、囲碁盤を感覚器とするようになった。若き天才女流棋士の栄光をつづり、第1回創元SF短編賞で山田正紀賞を贈られた表題作をはじめ、同じジャーナリストを語り手に紡がれる、盤上遊戯、卓上遊戯をめぐる6つの奇蹟。囲碁、チェッカー、麻雀、古代チェス、将棋……対局の果てに人知を超えたものが現出する。デビュー作品集ながら第147回直木賞候補となり、第33回日本SF大賞を受賞した、2010年代を牽引する新しい波。解説=冲方丁

レビュー・口コミ(2件) 一覧へ

  • 盤上遊戯をモチーフにした作品で
    さまざまな人の思いのやりとりがあった。
    初めて読んだ宮内作品だったけど
    強烈なイメージに驚いた。
    表題作は読後に題名を反芻すると、
    すこし意味がわかる。

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    4点
    ヤバイメロンパン屋さんさん
  • 囲碁や麻雀など卓上遊戯をSFとミックスした異色作。ただし、試合や競技内容を熱く語るわけではなく、あくまでそれぞれの遊戯に囚われてしまった人間模様が描かれるので詳しいルールなどがわからなくても十分楽しむことが出来ます。SFとしては荒削りで未完成な部分も多いとは思いますが、とにかく発想は斬新で挑戦的です。表題作「盤上の夜」は由宇の生い立ちにいまいちなじめなかったせいで読み味がイマイチでしたが、「清められた卓」の麻雀を巡る本来の駆け引きとSFとの融合は見事。SFがあまり得意でない方にもぜひ読んでもらいたい一冊です。

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    荻原遠子さん