掌の中の小鳥
購入した作品の読み方あらすじ
たぶん僕は変わったのだ。四年前にはとてもできなかったことが，今の僕にはできる。――本書全体のプロローグといえる第一話「掌の中の小鳥」で真っ赤なワンピースの天使に出逢った主人公は，一緒に退屈なパーティを抜け出した。狂言誘拐の回想「桜月夜」で名前を教わり，御難続きのエピソード「自転車泥棒」や不思議な消失譚「できない相談」を通じて小さな事件に満ちた彼女の日常を知るにつれ，退屈と無縁になっていく自分に気づく。小粋なカクテルの店〈エッグ・スタンド〉を背景に描かれる，謎を湛えた物語の数々。巧みな伏線と登場人物の魅力に溢れたキュートなミステリ連作集。
レビュー・口コミ（1件） 一覧へ
社会人の恋愛や大人のツキアイなどもからんだ作品。バーテンダーの泉さんもいい味だしてます！印象深いのは、彼女が愛犬の名前を「サスケ。サスケのケはタケシ（飼い主）のケだから」と言うが、本名は「サ」から始まる名前と看破して彼女がびっくりする場面。「掌の中の小鳥」も、いつか成長して、飛び立ちます。ゆっくりとあたたまる時間があってこそ、飛翔の瞬間も訪れるのだと思います。