春期限定いちごタルト事件

購入した作品の読み方

あらすじ

小鳩くんと小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校1年生。きょうも2人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに2人の前には頻繁に奇妙な謎が現れる。消えたポシェット、意図不明の2枚の絵、おいしいココアの謎、テスト中に割れたガラス瓶。名探偵面をして目立ちたくないというのに、気がつけば謎を解く必要に迫られてしまう小鳩くんは果たして小市民の星を掴み取ることができるのか? コメディ・タッチのライトなミステリ。

レビュー・口コミ(3件) 一覧へ

  • 小市民シリーズと言われるこの小説「春期限定いちごタルト事件」、平凡な小市民を目指す高校生・小鳩君と小佐内さんの可愛らしくエキセントリックな日常ミステリー小説。ミステリーと言っても殺人事件や凶悪な事件を解決するのではなく女子生徒のポーチを探しまわったり、卒業生が美術室に残した絵の真相を迫ったり、と日常のちょっとした事件を解決していくうちに自転車を洋菓子店『アリス』で購入した春季限定いちごタルトごと盗まれてしまったことがきっかけとなって大きな事件に巻き込まれてしまうさまを並行して描いています。内容もそこまで重いものではなく気軽に読める一冊になっているのでもし気になった人は書店に行ってみてくださいミステリーが苦手な私でも楽しく読めた一冊です

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    Natsumi*さん
  • 『春期限定いちごタルト事件』は、いわゆる「小市民シリーズ」の第一作目です。命名の由来は、主人公・小鳩常悟朗と小佐内ゆきが「小市民を目指す」ことを固く心に誓っているからです。本性を隠しておとなしく生きる、と口で言いつつも、二人ともついつい事件とあらば首を突っ込んでしまいます。『氷菓』シリーズ同様、「人の死なないミステリ」ですので、本格ミステリより気軽に読めてとても楽しめました。

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    ayanemqnさん
  • 「春期限定いちごタルト事件」という題から受ける印象通り、キャラクターを立てて、日常のちょっとした謎を綴る、ライトノベルのような読み味の小説。この作品の面白いところは、過去の行いを反省して、必死に自分の性格を隠そうとする主人公達の振る舞いの様子であり、また彼らが過去に冒したであろう過ちが本文中で直接には語られていないという点にも、想像力が刺激される。ライトノベルのような読み味でありながら人間の暗い感情がうっすらと感じられる、米澤氏らしい作品。

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    本条ゆりかさん