夏期限定トロピカルパフェ事件
購入した作品の読み方あらすじ
小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。さかしらに探偵役を務めるなどもってのほか。諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を！ 恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある小鳩君と小佐内さんは、今日も二人で清く慎ましい小市民を目指す。そんな彼らの、この夏の運命を左右するのは〈小佐内スイーツセレクション・夏〉――？ 大好評『春期限定いちごタルト事件』に続く待望のシリーズ第2弾、いよいよ登場！
レビュー・口コミ（2件） 一覧へ
『夏期限定トロピカルパフェ事件』は「小市民シリーズ」第二作目です。先に『春期限定いちごタルト事件』を読まれることをオススメします。『春期限定～』より一年が経過し、高校二年生となった二人がまた事件に巻き込まれてしまいます。小市民たるもの、ただおとなしく生きていきたいだけなのに！というスタンスが、『氷菓』の折木奉太郎君と被って楽しめました。本シリーズが好きな方は、是非『氷菓』シリーズもどうぞ。
春期、夏期、秋期とありますが、夏期は連作短編集で主人公達の関係が一変する出来事の一連が書かれています。「夏期限定トロピカルパフェ事件」は春期と合わせた表題ですが、中身の小説と見事に連動したタイトルです。私はぜひ作中の「りんごあめ」を食べてみたいです。夜店の駄菓子の認識が一変するという「りんごあめ」・・・もちろん他のスイーツも興味深いです（笑）ストーリーは、緻密に構成されていて、真相を知った後も読み返して反復してしまいました。秋期に続きますが、作品としては夏期のほうが楽しめると思います。