死ねばいいのに

購入した作品の読み方

あらすじ

死んだ女のことを教えてくれないか。三箇月前、自宅マンションで何者かによって殺された鹿島亜佐美。突如現れた無礼な男が、彼女のことを私に尋ねる。私は彼女の何を知っていたというのだろう。交わらない会話の先に浮かび上がるのは、人とは思えぬほどの心の昏(くら)がり。極上のベストセラー。(講談社文庫)

レビュー・口コミ(3件) 一覧へ

  • ※ネタバレありのレビューです。

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    5点
    ハルひこさん
  • 『死ねばいいのに』は京極夏彦のベストセラーミステリーです。主人公はある女性の話を聞かせてもらうために、女性の関係者らに話を聞きに行きます。しかし、話を聞けば聞くほど、相手が何も知らないことがわかってくるのです。そして最後には「死ねばいいのに」と言う…これだけ聞くと非常識な話のようですが、読むと不思議な説得力があるのです。まるで現代のソクラテスの物語です。自分の常識が覆される、ちょっと不思議なミステリーです。

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    ayanemqnさん
  • 貴方は後ろめたい気持ちを他人に抱えたことがありますか?若い男は死んだ女の死の真相を確かめるために彼女のゆかりのある様々な人物を訪ね歩く。話を読めばよむほど、死んだ彼女は散々な人生を歩んでおり、彼女に関わった人物たちは悉く情けない。社会悪とも呼べる彼らだが、それをより顕著にしているのが死んだ女の恐ろしいほどの懐の深さである。他人の光が強ければ強いほど、闇を抱えている人間は自分の醜さをより理解してしまうものだ。「死ねばいいのに」と言われてしまうような人生はおくりたくないものである。

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    荻原遠子さん