RIGHT×LIGHT12~繋がる声と届く指先~
あらすじ
長き物語がいよいよ終結する!!
「へ……? 夢?」
僕の記憶は、アリッサを覆い隠した緑の蔦が迫ってきたところで途切れた――。そして再び瞼を開くと、そこにはアリッサの姿も未由の姿もなく、ただ懐かしい町――故郷の奈波の景色がどこまでも広がっていた。そのなかにぽつりと由衣だけが居る。
「この町は、お兄ちゃんの見てる夢。でも、ただの夢じゃないよ。異界の天使が創り出した「幸せな世界」。光る葉に願った人たちが見る幸せな夢」
僕は思い出す。三年前の海難事故こそが僕の最大の不幸だった。だからいま目の前には事故が起こらなかった世界が創られている。アリッサもいない。未由もいない。でもここでは両親と由衣が生きている、ずっと求めてやまなかった「当たり前の日常」が続いている。僕が現実に絶望したから――この「不幸」が存在しない場所に僕は囚われてしまったのか。あの時――アリッサの剣は折れ、エノクの樹に取り込まれた。その後どうなったのか、いくら記憶を辿っても思い出せない。もしかしたらここはエノクが神になったあとの世界なのかもしれない。全てはとっくに手遅れなのかもしれない…。
壮絶なる魔法戦、決着! ケースケとアリッサ、そして未由の未来は…!?
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。