ユメオチル、アリス
あらすじ
あらゆる欲望が叶う「完全明晰夢」の世界へ
僕は自信を持って断じることが出来る。いま、目の前に繰り広げられているこの風景は偽物なのだと。つまり、これは夢だ。そう口にした瞬間に、その教室に座っていたクラスメイトたちが一瞬で消え去った。
明晰夢―――睡眠中でありながら「これが夢だ」と自覚することのできる夢。そんな幻の世界に、気がつけば僕は迷い込んでしまっていた。
「よく分かったね。ここが夢の中だって。キミ、合格!」
そのとき、僕以外誰もいないはずの教室に声が響いた。見上げれば教壇の上に、白い少女……見たこともない謎の美少女が立っていた。ほんのりと赤い唇。満月のようにぱっちり開かれた金の双眸。爛々と輝く瞳の力強さと雪よりも白い肌の儚さが、あどけない表情の上で同居している。少女は自分の名前をルルディ・リデルと名乗った――。
第3回ライトノベル大賞優秀賞受賞作『クイック・セーブ&ロード』で幻惑的な世界を描いた作家・鮎川歩待望の新作登場!
夢の世界で謎の少女と出会った少年・有栖が誘われるのは、どんな欲望でも叶えてしまうという「完全明晰夢」の世界! 荒唐無稽な夢の世界と現実の学園生活が交錯する新感覚イマジネーションノベル!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。