仏教は科学なのか 私が仏教徒ではない理由
購入した作品の読み方あらすじ
異端の哲学者、初の邦訳書。仏教モダニズム、マインドフルネス流行に対する挑戦的論考。
意識の哲学、認知科学の哲学を牽引する哲学者エヴァン・トンプソンの待望の初邦訳。
本書は、仏教を「心の科学」と考える仏教モダニズムや、マインドフルネス流行に対する挑戦的論考である。
仏教のとらえてきた「悟り」や「涅槃」は、脳科学によって解明できるのか。
仏教における「無我」や「自我」は、現代哲学の議論とどのように関係するのか。
現象学、認知科学、仏教哲学を横断しながら、仏教の教義を再検討し、現代世界の仏教哲学を提案することで東洋と西洋を超える思想を探求する一冊。
【目次】
日本語版序文
はじめに
第一章 仏教例外主義の神話 The Myth of Buddhist Exceptionalism
第二章 仏教は真実なのか? Is Buddhism True?
第三章 仏教は無我説か?―急ぐべからず No Self? Not So Fast
第四章 マインドフルネスへの熱狂 Mindfulness Mania
第五章 悟りのレトリック The Rhetoric of Enlightenment
第六章 コスモポリタニズムと会話 Cosmopolitanism and Conversation
科学・哲学・宗教を横断する思考 監訳者解説 下西風澄
「仏教モダニズム」を超えて 監訳者あとがき 藤田一照
訳者あとがき
【著者】
エヴァン・トンプソン
ブリティッシュ・コロンビア大学哲学科教授。認知科学、心の哲学、現象学、異文化哲学(特に仏教やその他のインド哲学の伝統)の観点から、心、人生、意識、自己について執筆している。1983年にアマースト大学でアジア研究の学士号を、1990年にトロント大学で哲学の博士号を取得。フランシスコ・ヴァレラ、エレノア・ロッシュとの共著に『身体化された心―仏教思想からのエナクティブ・アプローチ』(工作舎)など。
藤田一照
東京大学教育学部教育心理学科卒業。東京大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士課程を中途退学し、曹洞宗の紫竹林安泰寺にて得度、僧侶となる。2010年より2018年までサンフランシスコの曹洞宗国際センター所長(第2代)を務める。神奈川県の葉山にて実験的坐禅会を主宰。著書に、『現代「只管打坐」講義』(佼成出版社)、『現代坐禅講義』 (角川ソフィア文庫)ほか、共著や訳書が多数。
下西風澄
東京大学大学院博士課程単位取得退学。哲学と文学を中心に執筆。著書に『生成と消滅の精神史─終わらない心を生きる』(文藝春秋)。論文に「フッサールの表象概念の多様性と機能」(『現象学年報』第33号)、「生命と意識の行為論:フランシスコ・ヴァレラのエナクティブ主義と現象学」(『情報学研究』No.89)など。執筆に「生まれ消える心 ─ 傷・データ・過去」(『新潮』2023.5)、「演技する精神へ ─ 個・ネット・場」(『文學界』2023.6)、「青空を見つめて死なない」(『ユリイカ』2024.4)ほか。
護山真也
信州大学人文学部教授。研究分野は、比較哲学・仏教学。ウィーン大学博士課程修了(Dr. Phil.)。著書に『仏教哲学序説(未来哲学双書)』(ぷねうま舎)、共著に『シリーズ大乗仏教 9 認識論と論理学』(春秋社)など。論文に「仏教認識論とエナクティブ・アプローチ」(『比較思想研究』第43号)、「仏教哲学の可能性―無我説をめぐる西洋哲学との対話」(『現代思想』2018.10臨時増刊号)ほか。
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