完本 昭和史のおんな(上下合本)
澤地久枝 著 2,750円
あらすじ
「昭和史というすらりとした言い方や書き方では包括できない生身の人間の話を、生活を書きたい」
(『昭和史のおんな』単行本あとがき)。
東郷青児と情死をはかった西崎盈子、夫の出陣前夜に殉死した井上中尉夫人・千代子、保険殺人をはかった母子・徳山はつ/光子、堕胎罪に問われた女優・志賀暁子、ソ連へ亡命した女優・岡田嘉子……。
昭和のメディアを「騒がせた」女たちの苦闘に寄り添い、その人生を追ったノンフィクション。
文藝春秋読者賞受賞。
昭和100年に際し、二・二六事件の遺族を追う「雪の日のテロルの残映」が補完された完本を文庫化。
「文庫版あとがき」を収録。
〈解説〉酒井順子
■目次■
妻たちと東郷青児
井上中尉夫人「死の餞別」
保険金殺人の母と娘
志賀暁子の「罪と罰」
杉山智恵子の心の国境
チフス饅頭を贈った女医
性の求道者・小倉ミチヨ
桝本セツの反逆的恋愛
初代女性アナ翠川秋子の情死
擬装結婚の愛と真実
さまよえる「ノラ」
日中の懸橋 郭をとみと陶みさを
伝説のなかのプリマドンナ
夫の生還を信ず
小林多喜二への愛
雪の日のテロルの残映
あとがき
文庫版あとがき
解説 酒井順子