七人の弟子

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あらすじ

「三十九歳ですが、チャンスをください」


「中年再生工場」を名乗る談四楼のもとには、年齢も境遇もさまざまな入門志願者たちがやってくる。 破天荒な兄弟子からの預かり弟子 ・ わんだ、もとは担当編集者だった寸志、五十一歳で入門した初の女性弟子 ・ だん子、お笑い芸人から転身した只四楼、沖縄出身の“大ノセ”の青年 ・ 琉四楼、東大卒の元商社マン ・ 半四楼。
コロナ禍の過酷な日々も少しずつ落ち着きを取り戻し、半四楼の二ツ目昇進が決まりほっとしていた矢先、四年半来なかった新たな志願者が現れてーー。

それで弟子という存在をあらためて考えたのだ。彼らはいかにして私に辿り着いたのかと。私には談志しかいなかった。一本槍だった。弟子にしてもらえなければ他の道を歩んでいたのは確実で、果たして彼らはそこまで思い詰めて弟子入りにきたのだろうか。
それぞれの弟子たちの成長を描いた書き下ろし小説『七人の弟子』に加え、廃めていった弟子に思いを馳せる『長四楼のこと』、七代目への“三日間だけ”の弟子入りを描いた『三日間の弟子』全三篇を収録。
他の何にもたとえることのできない、師弟関係の真髄に迫る渾身の“弟子”小説!