学校で育むアナキズム

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あらすじ

新自由主義の猛威によって、わたしたちは「従属・服従」することに慣れてしまい、あろうことか、そのことを「自由」だと思い込むようになっています。支配されることに快感さえ覚えるようになっているのかもしれません。こうした錯覚は、学校現場で特に顕著です。新自由主義の下、学校では「管理」「秩序」が重んじられ、それがまるで教育を受ける権利を保障する条件のようにイメージされています。その結果、強固な学校権力が確立され、その支配の下では「考えない」ことがいいこととされてしまうのです。
こうした現状に対して、「何かおかしい」「声を上げなければ」と感じる人たちの輪も、じわじわ広がってきているように思います。それは、ブラック校則への反発であったり、部活の体罰問題への告発であったり、という形で表面化しているのではないでしょうか。
私たちは、常に同じ状態でいることはありません。さまざまな関係性の中で、少しずつ変化しています。一方で、「個を確立すること」が近代社会の基本とされており、学校はこの近代的「個人」を養成する場として位置づけられています。この相反する状態が、子どもたちと学校の間に齟齬を生じさせるのです。その一つが「不登校」なのでしょう。
「子どもに任せる」。これがアナキズムと教育を結びつける核心部分です。大切なのは相互に信頼し合うこと。そのために、日頃から「おしゃべり」をして、「縦の命令系統」ではなく、「横のつながり」を作っていく必要があります。静かな教室や職員室からは何も生み出されないからです。
学校教育がアナキズムの視点でどのように変わりうるのか、考えていきます。