江戸川乱歩トリック論集
江戸川乱歩 著 1,430円
あらすじ
探偵小説にとってトリックとは何か?
戦後、江戸川乱歩は海外作品を渉猟し、「なぜ小説を書かぬ?」と揶揄されながらも、独自のトリック研究に没頭した。
物理トリックは本当に出尽くしたのか。これからのミステリが進むべき道とは……。
多くの追随者を生んだ、全推理ファン必読の名篇「類別トリック集成」、およびその随筆版として自身が編んだ『探偵小説の「謎」』。ほか、乱歩のトリック論を精選し、初めて一冊に。
巻末に、トリック研究の只中に行われた横溝正史との対談「探偵小説を語る」(1949)を付す。
さらに、乱歩没後、松本清張指揮のもと研究を引き継いだ中島河太郎・山村正夫による「トリック分類表」(1969)を書籍初収録。
「類別トリック集成」という伝説を乗り越え、来たるべき探偵小説を模索するための、文庫オリジナル。
『江戸川乱歩座談』(中公文庫)に続く生誕130年記念刊行。
【目次】
1 類別トリック集成
2 探偵小説の「謎」
3 トリック各論・補遺:珍らしい毒殺の話/微視的探偵法/自動車と探偵小説
4 トリック総論:探偵小説のトリック/トリックを超越して/「謎」以上のもの/トリックの重要性/一人の芭蕉の問題/本陣殺人事件/探偵小説と子供心/創意の限度について/探偵小説の特殊性への執着/トリックについて
5 トリック分類表(中島河太郎・山村正夫)/探偵小説を語る(対談・横溝正史)
解説 新保博久