地球の恋人たちの朝食

購入した作品の読み方

あらすじ

二十年後の今読み返しても、初読時とは違って心の準備があっても、やっぱり異次元に跳ばされる。 これはもう言葉の超常現象ではないか。そして、未来の誰かのための聖書。--穂村弘(解説より)



毎年 あたしのように何人かが地球を出てゆくけど だれもが地球から持ちだす品をきめられなくてたいへんだという

想いでの本 想いでのレコード 想いでのドレス 想いでのアルバム 想いでの宝石 想いでの人形 想いでの手紙 想いでの食べ物 想いでの 想いでの 想いでのうつくしいものたち 

〈自分の背中の幅よりはみだしてはいけない〉決まりの 小さなリュックにつめこむ品を泣きながらえらぶとき あたしたちはこんなにも地球が可愛ゆいものだったと思い知る

(「地球の恋人たちの朝食」より)