灰色のミツバチ
アンドレイ・クルコフ著/沼野恭子訳 3,960円
あらすじ
仕事を辞め、妻に去られ、養蜂家になったセルゲーイチと、
いまは何をしているのかわからない、犬猿の仲だった幼馴染パーシャ。
狙撃兵と地雷に囲まれ、誰もいなくなった緩衝地帯《グレーゾーン》の村に暮らし続ける中年男ふたり。
電気も途絶え、食料も足りず、砲撃も次第に頻繁になってくる。
激化してゆく紛争下のドンバス地方を舞台に、飄々としたユーモアで描く物語。
春が来て、やがてミツバチたちが目覚めたとき、
意を決したセルゲーイチは旅に出る。
ロシア占領下のクリミアを目指して──。
全米図書批評家協会賞ほか受賞。ウクライナの国民的作家が戦禍のもとで書き続けた新長編。