「木漏れ日万華鏡ノート」 映像における余白の美学

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あらすじ

本書は、日本の小津安二郎監督をリスペクトするヴィム・ヴェンダース監督による日独合作映画『PERFECT DAYS』よりインスパイアされた感覚を、より幅広く未来へ向かって進化させる一つの試みと言える。ある意味、この映画はヴェンダース監督による、小津監督の『東京物語』への21世紀バージョンと捉えることも可能だが、単なる昭和時代へのノスタルジーでなく、アーティスティック・ムービーとしての禅的バウハウス的時代を超えたよりグローバルなオマージュであるとも言える。そこからより飛躍させて、20世紀のアナログカルチャーから21世紀のデジタルテクノロジー・ライフスタイルへと考察を進め、さらには日本文化を賞賛する外国人達から見た禅的ミニマリスト・ライフスタイルについて独自の考察を試みたものでもある。それは、次に示すように「1. 木漏れ日万華鏡ノート」にある各項目によく表れている。「Part 1 映画『PERFECT DAYS』の音楽シーン」「Part2 ヴェンダース/小津安二郎/日本文化」「Part3 映像における余白の美学 そして木漏れ日モーメント」(1)アナログカルチャーとデジタルテクノロジーと21世紀を生きる都市生活者の真の幸福 (2)デジタル・レボリューションの意味するもの (3)日本人の禅、海外のZENとデジタルテクノロジー (4)禅と日常生活、グレゴリー・ベイトソンと落合陽一さんのデジタルネイチャー (5)美的なものと美的でないものの境界線 (6)日常生活における平凡人として小さな悟りを愛でることと日本文化の核心とデジタルテクノロジー。【木漏れ日】が織りなすシンプルで繊細な光と影のコスミックダンス。【木漏れ日万華鏡モーメント】に見入る瞬間、我々日本人は先人達が永い永い年月をかけて育て上げてきた日本文化の美的感覚の核心に触れはしないだろうか? この本の制作中に亡くなられました松岡正剛様の御冥福をお祈り申し上げます。