NLL言語入門 プログラミングで算数を解く
坂井弘亮 1,980円
あらすじ
本書は「プログラミングによって算数の問題が解けるということをテーマとして、それに向いた言語を学ぶ」という、実験的に書いた書籍です。
たとえば2つの数の最大公約数を探そうとしたら、教科書的なやり方ではそれらの数の約数を調べ、公約数となっているものを掛け合わせるといったことが必要になります。
しかしプログラムでは、1から順の数で手当たり次第に割ってみて、余りがゼロになる数で最大のものとして調べることができます。
つまり「導く」のではなく、「探す」という求め方ができるわけです。
このような方法は「総当たり」と呼ばれますが、コンピュータに非常に向いた課題解決方法と言えます。つまり算数の問題を、教科書で習うような論理的な方法ではなく、総当たりで計算力に任せて解くことが可能となるわけです。
算数的な解きかたでは「いかに少ない計算量で解くか」という視点に偏りがちです。これは人の手で計算することが前提にあるためです。
しかし「計算量は多くてもいいので、いかに簡単な理屈で解くか」という方法を考えることが算数プログラミングの醍醐味です。
本書では、筆者が開発しているNLLというプログラミング言語を利用します。
NLLは、小学生くらいの子どもがプログラミングを学習することを想定して開発しているプログラミング言語です。そしてその特徴は、NLLは算数の問題を解くといったような「1画面に収まりきるくらいの短いプログラム」を短時間で書くことに適している、というところにあります。
理解しなければならない文法事項や概念を極力廃止し、数個のコマンドを覚えれば、あとはただ行単位で読んでいくだけでプログラムを理解できるように設計されています。
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