勘定侍 柳生真剣勝負〈八〉 愚王

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あらすじ

柳生の庄、最大の危機。哀しみの兄弟対決。

三代将軍徳川家光から届けられた密書が、柳生左門を解き放った。
密書の中身は、「柳生を滅ぼせ」。
愛する家光から己を引きはがし、館に閉じ込め続けた、憎き御家を壊滅せよとの命だ。
ようやく家光の元に帰れると歓喜のあまり乱心した左門は、ついに柳生藩士に向けて刀を抜く。
一方、柳生の庄に足を踏み入れた淡海一夜と柳生十兵衛は、酸鼻を極めた地獄絵図に息を呑む。
柳生家最大の危機に一夜が取った動きとは?
そして、鬼神と化した左門と十兵衛の激闘の行方は?
驚天動地の第八弾!
【主な登場人物】
一夜:大坂一といわれる唐物問屋淡海屋七右衛門の孫。柳生家の大名取り立てにともない、召し出される。
永和:上方で味噌と醤油を商う信濃屋幸衛門の長女。恋敵に妹の須乃と衣津、伊賀忍の佐夜がいる。
柳生但馬守宗矩:一夜の父。将軍家剣術指南役。息子に十兵衛三厳、左門友矩、主膳宗冬がいる。
堀田加賀守正盛:川越藩主にして老中。徳川三代将軍家光の寵愛を受ける。
総衛門:江戸城お出入り、御三家御用達駿河屋の主。材木や炭などを扱う。