時空のゆがみを解きほぐす数学

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あらすじ

はたして神は幾何学者なのか?

フィールズ賞受賞の世界的権威の数学者が、現代物理学の基盤である〈一般相対性理論〉を徹底解説。
時空のゆがみ(=重力)の働きを、宇宙の摂理として記述するのに不可欠なツールとなった幾何学とは?
謎めいた原題《The Gravity of Math》(数学の重力)にこめられたものがボディブローのように沁みてもくる好著。

本書「あとがき」で「ブラックホールに関する経験的証拠は議論の余地のないものとなっている」と、原著者の一人であるヤウ教授は断言する。いわく、かつてはSF(サイエンス・フィクション)領域の空想の産物だったブラックホールは、「いまや一般相対性理論の限界を探り、量子重力へのさまざまなアプローチの可能性を評価するための主要な実験場の一部」となっている。時空と重力、そして摩訶不思議なブラックホールに関連して「無毛定理」や「宇宙検閲官仮説」、さらには「弦理論」「11次元多様体」など、〈私たちの宇宙〉を探りつづける〈科学者たちの歩み〉を総覧することもできる本。