徳川斉昭-栄光と失意の幕末-
栗山格彰(著) 1,650円
あらすじ
『肉声』で読む維新回天の前夜
「烈公」と称された幕末の水戸藩主徳川斉昭。その半生を、史料を元に丹念に追跡。
藩主への就任、幕府からの褒賞と直後の謹慎。苛烈を極める藩内抗争と復権に至る道のり。
藩政復帰後、異国船到来という未曾有の国難に、周囲の期待を背負って表舞台に登場する。
しかし天の時、地の利はすでに望めず、「開国やむなし」に傾いていく大勢。
追い詰められていくなか、斉昭が施した朝廷工作は、さらなる騒乱の火種となっていく。
国論を主導し、幕末の魁となった英傑は、なぜ失意の晩年に沈まなければならなかったのか。
土浦藩主にして、大坂城代を勤めた20歳年下の従兄弟、土屋寅直との往復書簡から読み解く斉昭の心。
これは私達の数世代前が直面した、辛苦の物語。
【目次】
序 章 貧しい水戸藩に斉昭は何をもたらしたか
第一章 斉昭の登場と、それ以前の藩内抗争
第二章 暗転、追い落とされた斉昭
第三章 斉昭の復讐
第四章 斉昭を栄光の舞台へと引き出した異国船
第五章 追い詰められる斉昭
第六章 崩れ行く水戸藩
あとがき-見果てぬ夢を追って
『徳川斉昭書簡集』釈文(口語・全文)
参考資料
監修者あとがき
【著者】
栗山格彰
1941年、岐阜県神岡町生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。元第一生命株式会社勤務。元東京簡易裁判所調停委員・司法委員。元東京地方裁判所不動産鑑定委員。元練馬区古文書研究会会員。編・著に、著者の父が遺した古文書を翻刻・解説した『徳川斉昭書簡集-大坂城代・土浦藩主土屋寅直宛-』(桜井孝子と共編・著、日本史史料研究会)がある。