呼び覚まされる霊性の震災学 3.11 生と死のはざまで

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あらすじ

震災による死に人々はどう向き合うか

霊を乗せて走るタクシー タクシードライバーの幽霊体験、その真相とは? わが子は記憶のなかで生きていると慰霊碑を抱きしめる遺族、700体もの遺体を土中から掘り起こして改葬した葬儀社、津波のデッドラインを走る消防団員、骨組みだけが残った防災庁舎を震災遺構として保存するかなど、被災地の生と死の現場に迫るノンフィクション。亡くなった肉親や津波犠牲者の存在をたしかに感じるという、目にみえない霊性の世界に迫ります。

【目次】
呼び覚まされる霊性の震災学――目次

まえがき

第一章 死者たちが通う街 タクシードライバーの幽霊現象 工藤優花
第二章 生ける死者の記憶を抱く 追悼/教訓を侵犯する慰霊碑 菅原 優
第三章 震災遺構の「当事者性」を越えて 水上奨之
第四章 埋め墓/詣り墓を架橋する 「両墓制」が導く墓守りたちの追慕 斎藤 源
第五章 共感の反作用 被災者の社会的孤立と平等の死 金菱清
第六章 672ご遺体の掘り起こし 小田島武道
第七章 津波のデッドラインに飛び込む 消防団の合理的選択 小林周平
第八章 原発避難区域で殺生し続ける 伊藤翔太郎
プロジェクトを終えて 東北学院大学 震災の記録プロジェクト

【著者】
金菱 清
関西学院大学 社会学部 教授、社会学者。専門は災害社会学、環境社会学。