排出権商人

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あらすじ

「地球温暖化対策」の美名の下、新しく生まれた巨大利権!豚の糞が金に化け、空から月餅が降る!?

大手エンジニアリング会社の地球環境室長、松川冴子は、排出権市場開拓のため世界各地を飛び回る。そこは国連、各国政府、企業、金融機関が利害をかけて激突する温暖化ビジネスの戦場だった。一方、同社の時期社長の座を狙う専務の仙波は収益目標達成のため粉飾決算に手を染め、それを嗅ぎ付けたニューヨークのカラ売り屋「パンゲア」の北川が、猛然と株を売り浴びせる。知られざる排出権ビジネスの実態を徹底解明した衝撃作!

【目次】
プロローグ、第1章 空からふる月餅、第2章 忍草、第3章 炭鉱メタン回収、第4章 地中貯留、第5章 エンマンジュエジュエバ、第6章 CDM理事会申請、第7章 連結外し、第8章 インサイダー、第9章 リーマン・ショック、エピローグ

【著者】
黒木亮
1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院(中東研究科)修士。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資をめぐる攻防を描いた『トップ・レフト』で作家デビュー。主な作品に『巨大投資銀行』『メイク・バンカブル!』『地球行商人』など。早稲田大学時代は箱根駅伝に2度出場し、『冬の喝采』で自身の競技生活を描いた。1988年から英国ロンドン在住。