桜の木が見守るキャフェ

購入した作品の読み方

あらすじ

満開の桜も素晴らしいけれど、散り際にも楽しみはある――。

『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』『伝言猫がカフェにいます』の
著者が贈る、かけがえのない人生の物語。

庭にヤマザクラの大きな古木がある〈キャフェ チェリー・ブラッサム〉。
祖母と母から受け継いできた洋館で、緋桜(ひお)は、
季節の和菓子と茶を提供している。

訪れるのは、犬を連れて散歩にくる老人、
長年連れ添う国際結婚の夫婦、
保育園からの帰り道に通りがかった親子、
自分が進むべき道に迷う少女……。

桜の木は、今日もゆったり、行きかう人々を眺めながら、
各々が抱える悩みや秘めた思いに耳を傾け、静かに寄り添う。

四季の移ろいと人々の交流を、優しくゆったりと描く再生の物語。

文庫書き下ろし。