スープの森~動物と会話するオリビアと元傭兵アーサーの物語~【電子版特典付】2

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あらすじ

※電子版は書き下ろしショートストーリー
『エノーラの望み』の特別付録つきです。

心通じる夫、動物たち、そして新たな出会いーー
踏み出したオリビアの世界は、少しずつ広がっていく

人や動物の心の声が聞こえることで
孤独を抱えていたオリビアと、
傭兵として死を間近で見つめてきたアーサー。

それぞれの傷を抱えて夫婦となった二人は、
ともに食卓を囲み、寄り添いながら季節を重ねる。

人間に心を開き始めたオリビアは、
知らず知らずのうちに祖母から受け継いでいた
薬師としての才を開花させ、
オウムに野ウサギ、キツネに猫、
そして多くの人を救うことに。

賑やかな仲間も加わった『スープの森』は、
冬でも暖かな空気に満ちていてーー。

過去の傷も糧にして
オリビアは今日も
救いを求める声に耳を傾ける。


[登場人物]
<オリビア>
貴族の家に生まれたが、動物の心が分かることを
家族に気味悪がられ、五歳で修道院に送られる。
養父母であるジェンキンズ夫妻が亡くなった後は
『スープの森』を一人で切り盛りして暮らしている。
「人間は向いていない。動物に生まれたかった」と願い
今も周囲の人間に心を開けずにいる。

<アーサー>
貧しい暮らしの中で両親と妹を流行病で亡くし
十四歳で傭兵となる。必死に戦い生き抜くうちに
界隈では名の知れた存在となるが、二十八歳のある朝
「もう、これ以上は無理だ」と突如傭兵を辞め、
あてもなく歩くうちに「スープの森」にたどり着く。