本物施設をつくる 一点集中の介護経営
あらすじ
あえて拡大しない
理想の介護施設経営とは――。
設立から8年間の離職率0%!
利用者も従業員も幸せにする
“一点集中の介護経営”を徹底解説
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介護業界全体に、人手不足が大きな課題として横たわっています。
この先、団塊の世代が後期高齢者になる2025年、さらには団塊ジュニアが
高齢者となる2040年を控え、介護人材の不足はさらに深刻化すると考えられます。
介護職員の人手不足は経営にさまざまな影響を及ぼします。人手不足の状況では
介護職員一人ひとりに業務の負担が重くのしかかり、サービスの質は低下します。
また、教育する人や時間がなければ経験の浅い介護職員に対して、接遇・介護の
スキルや正しい介護の仕方などがまともに指導できず介護事故にもつながってしまいます。
こうした人手不足による問題が噴出しているにもかかわらず、サービスの質より
利益を優先した多拠点展開を標榜する経営者があとを断ちません。
人々の生活を支え、意思を尊重し尊厳を守ることで利用者を幸せにすることが
「介護の本質」であるはずなのに、それが顧みられない状況に陥っているのです。
このような状況において、介護事業の経営者一人ひとりが介護の本質を見つめ直し、
それを理念にも反映させて経営していかなければ、介護業界を変えることは不可能だと著者は述べています。
著者は「関わるすべての人が幸せになる介護施設をつくる」という理念を掲げて
デイサービスを設立し、以来その一事業一施設のみにこだわり続けてきました。
著者の理念をすべての従業員に浸透させ、利用者一人ひとりの心に寄り添ってこそ、
事故を防ぎ、質の高いサービスを提供できると考えているからです。
そして、事業を広げずあえて一施設に絞ることで、
関わるすべての人を幸せにする“本物施設”が実現できるのだといいます。
著者の施設では、従業員主体の評価制度や各人の資質に合わせた個別研修によって
従業員の意識を高め、離職率が高いとされる介護業界で設立後8年間離職ゼロを
誇っています。また利用者に寄り添った質の高いサービスを提供するのはもちろん、
地域を巻き込んだイベントを開催するなど地域住民との交流を活発に行い、
評価が口コミでどんどん広がることで、常に利用者は定員を満たしているといいます。
利用者とその家族、ケアマネジャー、従業員、そして経営者も含めて、
関わるすべての人を幸せにするというのが著者の理想であり、
それを実現させたのが、一点集中の経営による“本物施設”なのです。
本書では、一点集中の経営に対する著者の想いや考え方を交えながら、
真に利用者を幸せにする“本物施設”をつくるために行ってきたさまざまな施策をまとめています。
本物の介護を目指して努力を続ける介護施設経営者にとって、
利用者や従業員、その家族らみんなを幸せにするためのヒントとなる一冊です。
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