香りが僕に教えてくれたこと

購入した作品の読み方

あらすじ

人は香りに感情を揺さぶられる
考えるのではなく、感じるままに――

道に迷ったとき、くじけそうになったとき
人生の岐路に立ったときは、
香りに導かれるほうへ

調香師として30年。
香りの伝え人による自伝的エッセイ
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自分はこの仕事を続けていていいのか、自分の本当にしたいことは
まだ見つかっていないのではないか、もう見つけるには遅すぎるのだろうか――
人生に迷いや不安を感じながら日々を過ごす人は決して少なくありません。

著者は、香りを作り届ける調香師として、京都に専門店を開いています。
しかし、初めからこの道を志していたのではなく、会社勤めをやめて迷いながら
ようやくたどり着いた場所でした。
本書は、著者が調香師として独立するまでの挑戦と挫折の30年を振り返り、
その時々の思いや考え方をつづったエッセイです。

著者は若い頃、スポーツ用品の企画デザインの仕事をしていたときに、
自分が携わったスキー用品が大量に廃棄されていく様子を見てショックを受けました。
自分を含む多くの人が心を砕き手を尽くした商品が、シーズンにあわせて大量に
生産されながらそのまま廃棄される現実に心が耐えられなかったのだといいます。
そして、誰の手に渡ることもなくゴミになるものを作る仕事ではなく、一つひとつが
人の心に届き、大切にされるようなものづくりをしたいと考えるようになりました。
しかし、そのために会社を辞め、自分なりのアイデアを実現しようと起業しても
なかなかうまくいかず、やはり自分が間違っているのかと思うことも一度や二度では
なかったといいます。
挫折を何度も味わいながら著者は自分の道を探し続け、
やがて人生の師と仰ぐ人に出会います。そしてその人の弟子として調香師になり、
人の心に響く香りを届ける仕事に人生を捧げる決意をしたのです。

本書で描かれる酸いも甘いも経験した著者の言葉の数々は、
香りに興味のある人はもちろん、人生に迷い一歩を踏み出せないでいる人、
挫折を味わいくじけそうになっている人にとって、必ず人生の歩み方のヒントとなるはずです。