知るほど楽しい鎌倉時代

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あらすじ

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【内容紹介】
 鎌倉時代の武士は一族の土地と繁栄を守るために自らが命を懸けて戦った。戦場においては絢爛たる甲冑に身をまとい、名乗りを上げ、一番乗りを競い、勲功の証拠にと矢には名前が書かれていた。どちらが負けても命だけは守ろうと親子兄弟で分かれて戦い、主人を亡くした家来は「誰々が勇敢に戦って討ち死にした」と、大声で戦場を駆け回った。平時にあっても「働きに見合った恩賞が欲しい」と堂々と述べ、優秀な主人を選ぶのも武士の技量だとはばかることなく公言していた。鎌倉幕府の記録「吾妻鏡」にはこうした武士たちの生き様が躍動感あふれる文章で描かれている。
 もし、日本の歴史の中でこうした人々、あるいは時代がなかったとしたら、島国でありながらも多彩でダイナミックといわれる日本の歴史や、特徴ある日本人の精神性は形成されなかったのではないかと思う。歴史に「もしも」はないのだが、あえて考えてみたい。もしも彼らが今日の日本あるいは日本人をみたらどのように感じるであろうか。手のひらほどの領地にもこだわった彼らが、今の日本が抱える領土問題を知ったらどうするか。おそらく彼らは考えうるかぎりの手段をつくして自らの土地を取りもどし、守り抜こうとするだろう。また、御家人をまとめるため常に公平・公正に気を配った頼朝や、その頼朝を担ぎ上げ、命を懸けて自分たちの繁栄を手に入れようとした武士たちが、仕事や人間関係で悩む現代サラリーマンを見たらどう思うのだろうか、ぜひ聞いてみたい。
 この本では政治・経済・文化と項目別に分けて扱わず、それらを分解してほぼ時系列に並べてみた。この時代の移りかわりと、教科書には出てこない人々の生活を、子供も大人も理解し易いようにしたかったからである。
(「まえがき」より抜粋)

【著者略歴】
多賀譲治(たが じょうじ)
昭和24年生まれ
玉川大学文学部教育学科卒業
玉川学園中学部で社会科の教師として勤務。平成6年より玉川学園教育研究所・玉川大学教育博物館研究員を経て現在に至る。
多賀歴史研究所所長
玉川文化財研究所特別研究員
日本文化財保護協会顧問

【目次】
まえがき
はじめに/新時代の夜明け
1.平安時代末期ってどんな時代?
2.荘園が支えた貴族と武士の生活(8世紀~13世紀)
3.武士がつくった鎌倉幕府(1180~1190年頃)
4.社会を変えた源平の戦い(1180年~1185年の出来事)
5.鎌倉幕府ができたころ(1184年~1190年代)
6.繁栄した鎌倉の町と文化(1200年代)
7.第二の革命「承久の乱」(1221年の出来事)
8.ついに出来た武士の法律 (1232年)
9.武士の生活・貴族の生活
10.庶民の生活
11.「意外や意外」の食生活
12.誕生!庶民の宗教
13.経済と交通の発達
14.日本は「元寇」でどう変わったのか?(1274年・1281年)
15.リニューアルされた武士の政治(鎌倉幕府の滅亡)(1331年~1333年の出来事)
16.御成敗式目
あとがき