寄生虫を守りたい
佐々木瑞希(著) 1,936円
あらすじ
気鋭の研究者がユーモアたっぷりに描く「寄生虫学」の引力!
寄生虫になったつもりで考えれば、未知の生態系が見えてくる。
虫嫌いだった少女はやがて寄生虫研究者となり、ひっそりと生きる「小さなものたち」の世界へ引き込まれた――。
世界中に存在する寄生虫は、研究者でさえ混乱するほどの多様性がある。その一方で滅びゆくものも多く、目にする機会の少ない貴重なものもいる。
緻密かつ巧みに設計された体内構造、機能美、そしてライフサイクル。ほとんど知られていない寄生虫の生態と研究方法を写真とともに紹介し、その独特な魅力を語りつくす。
【目次】
序 章 はかない生きざま
第一章 なかなか過酷な寄生生活――多様すぎるライフサイクル
第二章 見たことのない寄生虫を追う――寄生虫研究とはどのようなものか
第三章 誰にも気づかれずに生きる――陸上で生活する寄生虫
第四章 運任せの一生――河川や湖沼を利用する寄生虫
第五章 圧倒される個体数と多様性――広い海を回遊する寄生虫
第六章 絶滅から救いたい――自然環境と寄生虫の関係
終 章 減らないように、増えないように
【著者】
佐々木瑞希
1979年、宮城県に生まれる。北里大学獣医畜産学研究科博士課程修了。旭川医科大学助教を経て2023年に独立、寄生虫研究所の開設を目指している。専門分野は寄生虫学、獣医学で、主に鳥類を終宿主とする鉤頭虫類の生活史や、ロイコクロリディウム属吸虫、エキノコックスなどの条虫について研究している。寄生虫学を普及させるためにSNSなどを通じて寄生虫の様々な生態を発信するとともに、一般からも広く寄生虫情報を募っている。