千歳くんはラムネ瓶のなか 8

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あらすじ

ーー鏡よ鏡。あの月にふさわしい女は、誰?

「昔むかし、あるところに、暗雲姫と呼ばれる美しいお姫さまがいましたーー」

穏やかな9月が終わり、10月。
藤志高祭の準備は佳境を迎えている。俺たちのクラスの出し物は、オリジナル演劇『白雪姫と暗雲姫と優柔不断な王子さま』。

白雪姫は夕湖で……あとはわかるな?
なずなの意図を感じつつ、俺たちは映し鏡のような物語を演じていく。

はふう、と。真夜中みたいな吐息を漏らして、暗雲姫が口を開いた。

「鏡よ鏡。ーーこの世でいちばん美しいのは、誰?」

朱々しい毒りんごを胸に潜ませて。七瀬悠月の舞台が、幕を開けるーー。

※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。